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旅ブログー「日本遺産」をご存知ですか?

★「日本遺産」をご存知ですか?
 旅行好きな方は「日本遺産」を知っておられる方も多いと思います。2015年に政府が「外国人旅行者向けに日本の歴史や文化について知ってもらうために選定されたテーマ群」で、2015年現在で全国各地で15件ものテーマが選定されています。
その中には日本の学校制度の確立期に重要な役割を果たした建築群である「近世日本の教育遺産群〜学ぶ心・礼節の根源〜」や、日本古来の文化である鯨漁の舞台となった地を選んだ「鯨とともに生きる」などがありますが、その一つが近年面白い展開を見せて注目を集めているのでご紹介します。

★軍港ロマンを感じる旅
 その一つとは「鎮守府 横須賀呉佐世保舞鶴〜日本近代化の躍動を体感できるまち〜」で、敦賀、佐世保、呉など日本各所に点在する旧日本海軍の軍港及びその関連施設を選定したもので、2015年に日本歴史遺産の選定を受けました。この中には軍旧港の史跡や建物群が含まれるのですが、その中に若い世代に注目を受けている場所をご紹介しましょう。
★今や要塞は空想の舞台
 それは沖合に浮かぶ旧日本軍の要塞・猿島砲台跡です。ここは江戸幕府が江戸湾の防衛拠点として幕末から整備、太平洋戦争時まで使用した要塞ですが、その朽ちかけて緑に包まれた様がアニメの舞台のようだ、との口コミが広がり若い世代の来島者が急増しています。2013年の来島者数は11万人。
2015年4月から入園料を徴収する有料公園として整備されましたが、人気はまだまだ上がりそうです。

東京湾要塞跡(猿島砲台跡)

東京湾要塞跡(猿島砲台跡)猿島砲台は、東京湾内湾への敵艦船の侵入阻止、併せて横須賀鎮守府、横須賀海軍工廠の存在する横須賀・長浦両軍港の防御を任務とした

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★戦艦もインターネットで人気に
 また、構成遺産に含まれないものの横須賀港の歴史を語るに欠かせない存在として、記念艦として展示されている戦艦三笠があります。
 戦艦三笠は、日露戦争当時、旧海軍の連合艦隊の旗艦で時の連合艦隊司令官・東郷平八郎が対馬沖でロシアのバルチック艦隊を破った「日本海海戦」で指揮を執ったことで有名です。退役後はダンスホールなど様々に転用されてきた三笠ですが、現在は当時の海鮮を知る貴重な資料であり、唯一の戦艦として明治期の艤装を再現されています。
艦上では、バルチック艦隊の激しい攻撃で穴があいた鉄板や当時の砲弾の模型、館長室の様子などを見学することができます。その臨場感あふれる船内の雰囲気そのままに、数年前、国民作家・司馬遼太郎の名作「坂の上の雲」がここを舞台に撮影されたことは記憶に新しいところです。

明治38年、日露戦争時の日本海海戦で活躍した戦艦「三笠」。

明治38年、日露戦争時の日本海海戦で活躍した戦艦「三笠」。

★これから「遺産」をどう広げていくか
 加えてインターネットの影響で若い世代への知名度が上がったこともあり、2015年入館者数は、51年ぶり過去最高の25万人を超える勢いとなり、現在では80歳代という旧海軍の元乗組員と10代、20代のインターネットで知ったファンとの交流という予期せぬ「ウルトラ世代交流」まで行われています。
 日本海海戦の開始にあたり、記念艦となったこの戦艦三笠の上で「皇国の興廃この一戦にあり」と宣した東郷平八郎に、こうした若者の戦跡人気はどう映るのでしょうか。

※写真はすべて横須賀写真ライブラリより。

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